ロクロ制作風景

作品に使用する陶土を用意して硬さにムラがなくなるようによく練り合わせます(荒揉み)

ロクロ成形しやすいように土から空気を抜きます

一般的に菊揉みと呼ばれる作業です


練り終わった土をロクロに乗せて中心に据えます

両手で挟み込むように力を加えて土を上に伸ばします


土を伸ばしては下ろし、を繰り返し土の歪みをなくします

この作業を丁寧に行うことで薄い器を作ることができます

土殺しと呼ばれる作業です


なんとなく意識せずにできるようになるのに8年程かかりました

土の歪みがなくなったら作るものに合わせた土をとります

左手を使って器の原型を作ります

京都では左手だけで土を伸ばしていきます


電動ロクロが登場する前は手回しロクロでした

その時にロクロを回す棒を右手で持っていた名残りだと聞きました

この辺りまで指で伸ばしておきます

高台になる部分もこの時に作っておきます


以降は指だと引っかかるので器に合わせた道具を使います

まず土を均等に伸ばし、締める道具を使います

土の締りが足りないと薄く作ることができません


少しずつですが完成の形に近づけておきます

刃のついた道具に持ち替え寸法を合わせながらさらに薄く伸ばします
同時に内側の余分な土を取り除き綺麗にしていきます


完成の器の形に挽きます

形と寸法が思いどうりに挽けたら、口縁の部分を作ります

鹿の皮をあてて実際に口が当たる場所をなめらかにします

焼成後に歪まないように口縁の土もしっかり締めておきます


皮をあてた部分は仕上げでも削ったりしないので特に気を配ります

器全体の印象や飲み口などもこの作業で決まります

時間をかけず一手で仕上げるとうまくいくように思います

最後に寸法を測る道具(とんぼ)で深さと口径をチェックします


実際にはそれぞれの作業の際にこの道具で寸法を測っています

腕のいい職人さんは最後の最後に一度測るだけで事足りたと聞きます

まだまだそこに至るには遠いです


これでロクロ挽き完成です


糸で切ってロクロ挽きで作っておいたくぼみを持ってはずします

 

ロクロからはずすために持つところをあらかじめ厚く作っておきます

そうしないとはずす時に器が歪んでしまします

 

 

削って仕上げが出来るように乾燥させます

必要に応じた数を作るのが通常です

一日じっと座っている事もよくあります

僕はロクロ座というタイプのロクロを使っていて椅子に座るのではなくあぐらをかいて座ります。職業的に猫背になるので困っています